北海道のコランダム

 コランダムとは、和名では鋼玉と言われています。(ルビー・サファイア)と呼ばれています。

 私たち札幌地質探究部の石の観察、および標本写真作りは、北海道の石という、北海道大学出版会で出版された本を参考にしております。

 

 この本の表紙に、この一冊から始めよう!

(岩石や鉱物の名前を知るための図鑑です。一般に手に入る石70種を収録しました。ルーペを片手に野外へ出掛けましょう!)などと表現された、実にユニークな図鑑を参考にしております。収録された岩石や鉱物の中には、鉱山でしか手に入らない岩石や、発見することがほぼ不可能な岩石も多数収録されているところが、実にユニークと言えます。

 ご存知のことと思いますが、北海道の鉱山で一般人が自由に敷地内に入れる鉱山は一ヶ所もありません。勿論、ズリなども入れるところはとても少ないです。この本を参考に収録できる岩石鉱物は、30種類ほどでしょうか。

 たぶん、大学という特権を活かしたときに初めて写真が掲載できそうです。

 

 しかし、私たちは大学とは無関係な100%ド素人集団です。では諦めるのか…。 基本的には諦めません。

そんな発見が難しい岩石の一つとして、コランダムという石があります。この本でも、写真を借りているようです。つまり、発見できていないということですね。日高の博物館で小耳にした話をまとめると、北海道におけるコランダムの発見は、ごく数名に限られているそうです。実は私たちの集団は、プロの方々に「ド素人には難しい」とバカにされた集団です。こんな時、私の性格は、脳がフル回転するのです。コランダム見つけました。しかも、たくさん見つけました。おまけに、まだ発見されていない地域でも発見することができました。

 では、なぜそんなことが「石のド素人」にできるのか。その答えは簡単です。たとえ石のド素人であろうと、分析のド素人ではありません。私は、北海道の石という本を参考にしたのです。何を参考にしたかと言うと、記載されている化学組成です。Al₂O₃という科学組成を知ったからです。Alとは、アルミニウムのことですね。

 北海道の家の窓枠は、アルミニウムでできています。古くなったアルミニウムでできた窓枠は、独特の白い粉を吹いたように見える劣化をします。たぶん、風化などで劣化すると考えられるのですが、この表情をしっかりと記憶していたのです。川原の中で、このアルミニウムの表情を持つ岩石を探すことは、それほど難しいことではありませんでした。チームの全員にサンプルの石を見せ、「このような石を探して下さい」と教えたのです。たぶん、北海道でのコランダムの発見数は、私たちがトップでしょう。

 皆さんも、こんな楽しみ方にチャレンジしてみて下さい。面白い発見があるはずです。

 学問は自由なのです。


 この石には、ピンクサファイアが確認できます。

 北海道では、コランダムを見かけることは少ないらしい。石の大きさは約40cm位ですが、日陰を利用して上手く撮れた写真です。

 下の写真は、コランダムを見つけた河原の石です。

 この写真には写っていませんが、いろいろ種類の石を見ることが出来る川です。

 






北海道 平取のコランダム

母岩は角閃岩。ブルーの部分は約3mm。ピンクのコランダム部分が脈状に確認できる。







母岩は角閃岩。ブルーの部分は約4mm。岩石全体に斑状に薄いピンク色のコランダム部分が点在している事が肉眼で確認できる。







北海道 日高のコランダム

母岩はロジン岩と思われる。ブルーのサファイヤ部分は約2mm、ピンクのコランダムが脈状に入っている。


  

  

  

ブラックライトに反応するコランダム


 

 

 海外のコランダム  2013・池袋ミネラルショー